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Office認証情報のバックアップと復元方法

Office の認証情報のバックアップと復元方法です。

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ライセンス認証のバックアップと復元

Windows の動作不良等の原因により Windows 環境を再構築するとき、 Windows の機能を使って初期化する方法や Windows のインストーラーを使用して Windows をクリーン インストールする方法などがありますが、いずれの場合も Office は削除されるため、再インストールが必要です。

Windows や Office は Microsoft のサーバと通信するなどして認証を行う必要があり、この結果はパソコンにも保存されます。ここでは、認証状況のバックアップと復元の操作方法を記載します。

※マイクロソフト アカウントから Office の再インストールが可能かを確認します。もし可能であれば、本手順を行うよりも安全でかんたんに Office の再インストールができます。

(警告) 本記事記載の操作は通常必要なく、また、本記事記載の操作を行うと Windows システムが正常に動作しなくなる可能性がありますので、あらかじめバックアップをとってから自己の責任において実行する必要があります

旧環境で認証情報をバックアップする

Microsoft Office が認証されている現在の環境でバックアップを実行します。

ライセンス認証の状態確認

Office 製品 (例えば Excel) を起動し、[アカウント]をクリックしてライセンス認証の状況を確認します。

「ライセンス認証された製品」と表示されている場合は、ライセンス認証が完了しています。

「ライセンス認証が必要です」と表示されているときは、ライセンス認証が完了していませんので、先にライセンス認証を完了させます。

spp フォルダのバックアップ

次のフォルダをバックアップします:

C:\Windows\System32\spp\

[エクスプローラー]を起動して[PC]を開き、[ローカル ディスク (C:)]をダブルクリックするか[右クリック]して[開く]をクリックします。

[Windows]フォルダをダブルクリックするか[右クリック]して[開く]をクリックします。

[System32]フォルダをダブルクリックするか[右クリック]して[開く]をクリックします。

一覧から「spp」フォルダを見つけて[右クリック]、[ZIP ファイルに圧縮する]をクリックします。

※Windows 11 24H2 等の場合は、[右クリック]、[圧縮先]から[ZIP ファイル]をクリックします

「圧縮アーカイブ フォルダーをここに作成することはできません。代わりにデスクトップに配置しますか?」と表示されたら[はい]をクリックします。

デスクトップ上に圧縮ファイル「spp(.zip)」が作成されたことを確認します。新環境でリストアしますので、このファイルをバックアップします。

(参考) 試験した範囲では以下のフォルダのみでも良いようです:

C:\Windows\System32\spp\store\2.0

※上記を対象に操作するときは、適宜お読み替えください
※必要に応じて旧環境の Windows 環境等もバックアップします

新環境で認証情報を復元する

新環境を準備する

まず最初に Windows をインストールします。どのようにインストールするかは個々の事情により異なると思われますが、何らかの方法により Windows 環境を構築し、そこには Office がインストールされていない状態であるとします。

つぎに、それまでインストールされていた Office と同じ Office をインストールします。

※本記事では執筆に当たり Office 2021Office 2016 で試験しています(後述)

実行前の確認

インストールした Office を起動し、ライセンス認証が必要な画面が表示されるか確認します。

※ Windows の環境を再構築する手順によっては、この時点で認証済みとなっている可能性がありますので、確認することをおすすめします。認証済みの場合は、ここで終了になります。以後の操作は不要です。

Software Protection Service の停止

GUI

[スタート]をクリックして「ser」と入力、[サービス]が表示されたらクリックします。

一覧から「Software Protection」を見つけ、ダブルクリックしてプロパティを表示させ、「サービスの状態」が「実行中」であることを確認します。

[停止]をクリックします。

CUI

net stop sppsvc

Software Protection サービスを停止します。

> net stop sppsvc
Software Protection サービスを停止中です.
Software Protection サービスは正常に停止されました。

実行例。

バックアップの展開

デスクトップ上にある「spp(.zip)」ファイルを[右クリック]し、[すべて展開]をクリックします。

「展開先の選択とファイルの展開」が表示されたら[展開]をクリックします。

展開が完了するまで待ちます。

展開が完了し、フォルダが表示されます。

この例では「デスクトップ上の spp フォルダ内の spp フォルダ」を[右クリック]して[コピー]をクリックします。

spp フォルダの復元

[エクスプローラー]を起動して[PC]を開き、[ローカル ディスク (C:)]をダブルクリックするか[右クリック]して[開く]をクリックします。

[Windows]フォルダをダブルクリックするか[右クリック]して[開く]をクリックします。

[System32]フォルダをダブルクリックするか[右クリック]して[開く]をクリックします。

[貼り付け]をクリックします。

「ファイルの置換またはスキップ」が表示されたら[ファイルを置き換える]をクリックします。

「対象フォルダーへのアクセスは拒否されました。このフォルダーへ移動するには管理者の権限が必要です」と表示されたら[すべての項目にこれを実行する]にチェックを入れ、[続行]をクリックします。

ファイルの復元が完了するまで待ちます。

Software Protection Service の開始

GUI

[スタート]をクリックして「ser」と入力、[サービス]が表示されたらクリックします。

一覧から「Software Protection」を見つけ、ダブルクリックしてプロパティを表示させ、「サービスの状態」が「停止」であることを確認します。

[開始]をクリックします。

CUI

net start sppsvc

上記コマンドにより Software Protection サービスを開始します。

C:\Users\Owner>net start sppsvc
Software Protection サービスを開始します.
Software Protection サービスは正常に開始されました。

実行例。

ライセンス認証の状態確認

Office 製品 (例えば Word) を起動し、[アカウント]をクリックしてライセンス認証の状況を確認します。「ライセンス認証された製品」と表示されていることを確認します。

エラー例

アクセスが拒否されました

C:\Users\Owner>net stop sppsvc
システム エラー 5 が発生しました。

アクセスが拒否されました。

「システム エラー 5 が発生しました。アクセスが拒否されました」と表示された場合は、操作しているコマンドプロンプトが管理者権限で開かれていない可能性があります。コマンドプロンプトを管理者権限で起動し、再操作します。

Software Protection サービスは開始されていません

C:\Users\Owner>net stop sppsvc
Software Protection サービスは開始されていません。

NET HELPMSG 3521 と入力すると、より詳しい説明が得られます。

Software Protection サービスを停止しようとした際に「Software Protection サービスは開始されていません」と表示されたときは、開始されていない Software Protection サービスを停止しようとしたためエラーが表示されています。すでに停止状態にあるため、特に操作は必要ないものと思われます。

Software Protection サービスを開始できませんでした

C:\Windows\system32>net start sppsvc
Software Protection サービスを開始します.
Software Protection サービスを開始できませんでした。

システム エラーが発生しました。

システム エラー 5 が発生しました。

アクセスが拒否されました。

Software Protection サービスを開始しようとした際に「Software Protection サービスを開始できませんでした。システム エラー 5 が発生しました。アクセスが拒否されました。」と表示された場合は、操作しているコマンドプロンプトが管理者権限で開かれていない可能性があります。コマンドプロンプトを管理者権限で起動し、再操作します。

要求したサービスは既に開始されています

C:\Users\Owner>net start sppsvc
要求したサービスは既に開始されています。

NET HELPMSG 2182 と入力すると、より詳しい説明が得られます。

Software Protection サービスを開始しようとした際に「要求したサービスは既に開始されています」と表示されたときは、すでに Software Protection サービスは開始された状態であるため、開始できなかったことを示しています。エラーが表示されていますが、すでに開始状態にあるため、特に操作は必要ないものと思われます。

参考

検証した主な環境は以下のとおりです。

Windows 10 & Office 2016 環境での検証は次のとおりです:

  1. 旧環境でバックアップする
  2. ストレージを交換する
  3. Windows 10 をクリーン インストールして新環境を構築する
  4. Office 2016 をインストールする
  5. Office 2016 がライセンス認証されていないことを確認する
  6. バックアップから復元する
  7. Office 2016 がライセンス認証されていることを確認した

※上記例は、ストレージを交換して Windows クリーン インストールした環境で Office の認証情報を復元した例

Windows 11 & Office 2021 環境での検証は次のとおりです:

  1. Windows 11 をクリーン インストールする
  2. Office 2021 をインストールする
  3. Office 2021 をライセンス認証する
  4. バックアップする
  5. Windows 11 の機能を使って初期化する
  6. Office 2021 が削除されていることを確認する
  7. Office 2021 をインストールする
  8. Office 2021 がライセンス認証されていることを確認した

※上記例は、Office の再インストールは必要であったが、ライセンス認証を再実行する必要はなかった例

※検証は上記の主な環境以外にも複数の環境で行っています
※同一のハードウェア環境で、同一の Windows と Office の組み合わせでの検証です
※Windows や Office は、ライセンス認証の仕組みにより、ハードウェア環境が変更されるとライセンス認証が必要になります

関連

Windows 11 で PC をリセットする方法については、次のサポート記事をご参照ください:

Windows 10 で PC を初期状態に戻す方法については、次のサポート記事をご参照ください:

注意

  • 本操作例は Windows 10 上にインストールされた Office 2016 のものです
  • 本操作例は Windows 11 上にインストールされた Office 2021 のものです
  • 画像は 2024.12 現在のものです
  • 本手順は通常実行する必要はなく、また、手順を実行したことによりシステムが正常に動作しなくなる可能性があります

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